「周りの音が聞こえる」という安全性と、耳を塞がない開放感で人気の骨伝導イヤホン。ランニングやオンライン会議など、様々なシーンで活用できる便利なアイテムですよね。
しかし、多くの人が気になるのが**「音漏れ」**の問題。「電車や静かなオフィスで使いたいけど、周りに迷惑じゃないかな…」と、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、プロのガジェットブロガーである筆者が、骨伝導イヤホンの音漏れの**「なぜ?」**を徹底的に解説します。音漏れの仕組みから、具体的な対策、さらには音漏れしにくいおすすめのモデルまで、あなたの疑問をすべて解決します。
この記事を読めば、骨伝導イヤホンの音漏れに関する不安がなくなり、自信を持って自分に合った製品を選べるようになりますよ。
この記事のポイント
この記事を読めば、以下の4つのことがわかります。
- 骨伝導イヤホンが音漏れする根本的な仕組み
- 実際のところ、音漏れはどのくらい気になるレベルなのか
- 今日からすぐに実践できる具体的な音漏れ対策
- 音漏れ防止技術を搭載した、おすすめの最新モデル
骨伝導イヤホンで音漏れはなぜ起きる?その仕組みと実態

まず最初に、多くの人が疑問に思う「なぜ骨伝導イヤホンは音漏れするのか?」という核心に迫っていきましょう。その原因は、骨伝導の仕組みそのものに隠されています。
骨伝導イヤホンが音を伝える仕組みと音漏れの原因
私たちが普段「音」として認識しているのは、空気の振動が鼓膜を震わせ、それが脳に伝わることで成立します。これを**「気導音」**と呼びます。一般的なイヤホンは、この気導音を利用して耳の中に直接音を届けています。
一方、骨伝導イヤホンは、音の振動を頭蓋骨に直接伝え、鼓膜を介さずに聴覚神経に音を届けます。これが**「骨導音」**です。耳を塞がずに音楽が聴けるのは、この仕組みのおかげです。
では、なぜ音漏れが起きるのでしょうか?
原因は、骨に伝えられるはずの振動の一部が、イヤホン本体やその周辺の空気を震わせてしまうからです。空気が震えれば、そこには「気導音」が発生します。この意図せず発生してしまった気導音が、いわゆる「音漏れ」の正体なのです。
| 音の種類 | 伝達経路 | 利用するイヤホン |
| 気導音 | 空気 → 鼓膜 → 聴覚神経 | 一般的なイヤホン(カナル型、インナーイヤー型など) |
| 骨導音 | 骨 → 聴覚神経 | 骨伝導イヤホン |
つまり、骨伝導イヤホンは「骨導音」をメインに利用しつつも、構造上どうしても微弱な「気導音」が発生してしまい、それが音漏れに繋がるというわけです。特に、音量を上げると振動も大きくなるため、空気中に漏れる音も比例して大きくなります。
骨伝導イヤホンの音漏れはどのくらい?周りにうるさいと思われるレベル?
「音漏れの仕組みはわかったけど、実際どれくらい漏れるの?」というのが、次に気になるところですよね。
結論から言うと、音量と周囲の環境に大きく左右されます。
例えば、走行音や人々のざわめきがある電車内や、交通量の多い屋外で常識的な音量で聴いている分には、隣にいる人にもほとんど聞こえません。
しかし、シーンと静まり返った図書館や静かなオフィスで、ある程度の音量で聴いていると、シャカシャカとした高音域の音が周りの人にも聞こえてしまう可能性があります。
以下に、環境と音量による音漏れの聞こえやすさの目安をまとめました。
| 環境 | 小音量 | 中音量 | 大音量 |
| 静かな図書館・オフィス | ほぼ聞こえない | シャカシャカ音が聞こえる | 曲や声の内容がわかるレベル |
| 電車内・バス内 | 聞こえない | ほぼ聞こえない | よく聞くとシャカシャカ聞こえる |
| ランニング・ウォーキング中 | 聞こえない | 聞こえない | 聞こえない |
このように、骨伝導イヤホンの音漏れは「うるさい」と一概に言えるものではなく、TPOに合わせた音量調節が非常に重要になります。
電車や静かなオフィスでの利用は避けるべき?
では、電車やオフィスでの利用は諦めるしかないのでしょうか?
そんなことはありません。先ほどの表で示した通り、適切な音量で利用すれば、周りに迷惑をかける可能性は極めて低くなります。
一般的な目安として、最大音量の50%〜60%程度に抑えておけば、静かな環境でも音漏れが気になることは少ないでしょう。
また、最近のモデルは音漏れ対策技術が非常に進化しており、一昔前の製品とは比べ物にならないほど音漏れが少なくなっています。製品選びも重要なポイントと言えるでしょう。
骨伝導イヤホンの音漏れはなぜ防げる?最新対策とおすすめモデルを解説

骨伝導イヤホンの音漏れは、仕組み上避けられないものだと解説しました。しかし、技術の進歩と正しい使い方によって、その問題は大幅に改善されています。
ここでは、「なぜ最近のモデルは音漏れが少ないのか?」その理由となる最新技術と、ユーザー側でできる具体的な音漏れ対策、そして安心して使えるおすすめのモデルまで、詳しく解説していきます。
今日からできる!骨伝導イヤホンの音漏れ対策4選
特別な道具は不要です。今すぐ実践できる簡単な対策で、音漏れは大幅に軽減できます。
1. とにかく音量を上げすぎない
最も基本的で、最も効果的な対策です。周りが騒がしいとつい音量を上げたくなりますが、それでは音漏れの原因に直結してしまいます。環境音も聞こえるのが骨伝導イヤホンのメリットと割り切り、BGM感覚で楽しむのがスマートな使い方です。**「自分が聴こえるギリギリの音量」**を意識しましょう。
2. 正しい位置に装着する
骨伝導イヤホンは、振動するパッド部分が**こめかみの少し手前(頬骨の上)**にしっかりとフィットすることで、最も効率的に音を伝達します。装着位置がずれていると、音が聞こえにくくなり、無意識に音量を上げてしまいがちです。また、しっかりとフィットしていないと、振動が空中に逃げやすくなり、音漏れを助長してしまいます。
3. 耳栓を併用する(集中したい時におすすめ)
「周りの音を遮断して集中したい」という時には、耳栓の併用が非常に有効です。耳栓で気導音をシャットアウトすると、骨導音の聞こえ方がよりクリアになり、普段よりずっと小さな音量でも音楽に没入できます。音量が下げられるため、結果的に音漏れも劇的に減少します。多くの骨伝導イヤホンには、お試し用の耳栓が付属していることもあります。
4. 音漏れ防止機能が優れたモデルを選ぶ
各メーカーは音漏れ問題を重要視しており、最新モデルには様々な音漏れ対策技術が投入されています。例えば、振動の方向を制御したり、音漏れの原因となる逆相の音を発生させて打ち消したりする技術などです。古いモデルや安価すぎるモデルは対策が不十分な場合が多いため、多少価格が高くても、音漏れ対策に定評のあるブランドやモデルを選ぶことが、最も確実な対策と言えるでしょう。
音漏れしにくい!おすすめの骨伝導イヤホン3選
ここでは、最新の音漏れ防止技術を搭載し、ユーザーからの評価も高い、本当におすすめできるモデルを3つ厳選してご紹介します。
【王道にして最高峰】Shokz OpenRun Pro
| Shokz OpenRun Pro | |
| 特徴 | 第9世代骨伝導技術「Shokz TurboPitch™」搭載で、クリアな中高音と深みのある低音を実現。音漏れも極限まで抑制。 |
| 連続再生時間 | 最大10時間 |
| 急速充電 | 5分の充電で最大1.5時間使用可能 |
| 防水防塵性能 | IP55 |
| 公式サイト | Shokz (ショックス) 公式サイト |
骨伝導イヤホン市場のリーディングカンパニーであるShokz(旧AfterShokz)のフラッグシップモデルです。独自の低音増強技術と、音漏れを効果的に抑制する構造で、骨伝導の弱点とされてきた「音質」と「音漏れ」を高いレベルで両立しています。音質にも妥協したくない、最高の1台が欲しいという方におすすめです。
【迷ったらコレ】Shokz OpenRun
| Shokz OpenRun | |
| 特徴 | 「PremiumPitch™ 2.0+」技術により、パワフルな音質と少ない振動、大幅な音漏れ抑制を実現したスタンダードモデル。 |
| 連続再生時間 | 最大8時間 |
| 急速充電 | 10分の充電で最大1.5時間使用可能 |
| 防水防塵性能 | IP67(水深1mで30分耐えられる) |
| 公式サイト | Shokz (ショックス) 公式サイト |
OpenRun Proの旧世代モデルにあたりますが、性能は十分すぎるほど高く、コストパフォーマンスに優れています。防水防塵性能はProモデルを上回るIP67で、ランニング中の急な雨や汗も全く問題ありません。バランスの取れた性能で、初めての骨伝導イヤホンにも最適です。
【ながら聴きに特化】Shokz OpenFit
| Shokz OpenFit | |
| 特徴 | 骨伝導ではなく「空気伝導」方式を採用。耳にかけ、耳の穴の前にスピーカーが浮くような形。圧迫感がなく、音漏れも非常に少ない。 |
| 連続再生時間 | 最大7時間(ケース併用で最大28時間) |
| 急速充電 | 5分の充電で最大1時間使用可能 |
| 防水防塵性能 | IP54 |
| 公式サイト | Shokz (ショックス) 公式サイト |
こちらは厳密には骨伝導ではありませんが、「耳を塞がない」というコンセプトを追求したShokzの意欲作です。超小型スピーカーから指向性の高い音を耳に届けることで、従来の骨伝導の「振動が気になる」「音質が独特」といった点を克服しつつ、驚くほどの音漏れの少なさを実現しています。長時間の装着でも疲れにくいため、在宅ワークやリラックスタイムの「ながら聴き」に最適です。
音漏れだけじゃない!骨伝導イヤホンのデメリットと危険性
最後に、骨伝導イヤホン全般に言えるデメリットや、誤解されがちな危険性について触れておきます。
⚠️ デメリット
- 音質、特に低音はカナル型に劣る:構造上、重低音の表現は苦手です。高音質な音楽鑑賞が主目的の場合は、物足りなさを感じるかもしれません。
- 振動が気になる人もいる:特に音量を上げると、こめかみ付近の振動がくすぐったい、または不快に感じる人もいます。
- 装着感:メガネやヘルメットとフレームが干渉する場合があります。
⚠️ 危険性や難聴のリスクについて
「骨伝導イヤホンは難聴になる?」という噂を聞いたことがあるかもしれませんが、これは誤解です。
難聴(騒音性難聴)のリスクは、音を伝える方法(気導か骨導か)ではなく、「大きな音を」「長時間」聞き続けることで高まります。これは骨伝導イヤホンも、普通のイヤホンも全く同じです。
むしろ、骨伝導イヤホンは耳を塞がないため、必要以上に音量を上げずに済むケースが多く、適切に使えば難聴リスクは低いとさえ言えます。ただし、周りの騒音に対抗して大音量で使い続けるような行為は、当然ながら耳にダメージを与える可能性があるので絶対にやめましょう。
まとめ:骨伝導イヤホンの音漏れはなぜ?仕組みを理解して快適に使おう
今回は、骨伝導イヤホンの音漏れの「なぜ?」について、その仕組みから対策、おすすめモデルまでを詳しく解説しました。
- 音漏れの原因:骨に伝えるべき振動が空気を震わせ、「気導音」が発生してしまうため。
- 音漏れのレベル:音量と周囲の環境次第。静かな場所での大音量はNG。
- 有効な対策:音量を抑え、正しく装着し、最新の音漏れ対策モデルを選ぶこと。
- おすすめ:迷ったらShokzブランドの製品が鉄板。
骨伝導イヤホンの音漏れは、その仕組み上ゼロにすることはできません。しかし、正しい知識と使い方、そして製品選びによって、周りを気にすることなく快適に利用することは十分に可能です。
この記事が、あなたの骨伝導イヤホン選びの助けになれば幸いです。耳を塞がない新しいリスニング体験を、ぜひ楽しんでください。
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